設備紹介 電子線元素状態分析装置 EPMA
管理情報
製品名 | : | 日本電子(株) | JXA-8530F |
管理部門 | : | 基盤研究設備部門 | 表面・界面構造解析室 |
管理責任者 | : | 中村仁 | 共通教育部 |
装置概要
- 電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)とは固体表面に電子線を照射し固体中の原子と電子線の
相互作用により発生する特性X線を分光することにより,試料を構成している元素とその量(組成)を知るための装置である.
- 具体的には先ず,走査型電子顕微鏡の機能を用いて試料表面の形態観察を行い,次いで点分析により
定性・定量分析を行う.
点分析の分析領域はサブミクロン~数10ミクロン程度に設定する場合が多い.
試料表面が一様な場合は,この点分析を数箇所で行なうのみで十分目的が達せられるが,一様でない場合は,
線分析や面分析を行って元素分布を求めることが出来る.
- 特性X線の分光装置として,エネルギー分散型分析装置(EDS)と波長分散型分析装置(WDS)を有している.
前者は少ない試料照射電流で短い測定時間で分析が可能であり,また試料表面の凹凸が大きな場合に有効である.
後者は高エネルギー(波長)分解能とその結果生じる高いピーク対バックグラウンド比(P/B比)が特徴である.
WDSでは分光結晶としてLDE, LIF, PET, TAPが用意されており,測定可能元素範囲は5B~92Uである.
測定できる物質、状態、大きさ等
- 対象とする試料は,固体であり,真空中で安定であることが必要である.
- また,電子線を照射するため,金属的である事が望ましい.
- 絶縁性の高い試料は,試料表面に炭素や金属のコーティングを施すことで測定可能となる.
この場合の定量分析では,コーティング膜の効果を考慮しなければならない場合もある.