設備紹介 高磁場多目的物性測定システム PPMS

管理情報
製品名 | : | Quantum Design社 | PPMS |
管理部門 | : | 基盤研究設備部門 | 分析・計測機器室 |
管理責任者 | : | 石田尚行 | 基盤理工学専攻 |
装置概要
- 代表的な固体物性である,交流磁化率(実数部と虚数部,10,000 Hz以下),比熱,電気抵抗,ホール効果,磁気抵抗 の温度変化を測定することができる.
- 測定温度は1.9 Kから室温まで,印加磁場は0 ~ 9テスラである.
- 物性の種類ごとにプローブが異なり,それをとりかえることにより,これらの物性測定が1台の装置でできる.
- 測定プロセスを前もってプログラム入力することにより,測定をすべて自動的に行うことができる.
- なお,この装置で直流磁化率も測定できるが,感度は超伝導量子干渉型磁束計のほうが優れている.

測定例

図 単分子磁石 [Dy2Cu] 錯体の交流磁化率の out-of-phase 成分
測定できる物質、状態、大きさ等
- 磁性体の交流磁化率の測定から,磁性の動的な挙動がわかる.
- また,交流増幅の手法により,試料にかける磁場が数Oe程度の弱磁場でも,感度よく磁化率を測定できるので, 磁気的相転移の有無を調べるのに有効である.
- 比熱の温度変化の測定から,各種相転移(たとえば強磁性体転移,超伝導転移)についての知見が得られる. たとえば,強磁性体の相互作用の大きさ,次元性などがわかる.
- 超伝導体研究では,ゼロ抵抗の確認以外に本装置によるマイスナー効果の確認が不可欠である.更に超伝導の 体積分率,臨界磁場の測定が可能である.
- また,磁気抵抗,ホール効果の測定ができ,特に 巨大磁気抵抗の研究は,新しいエレクトロニクス素子開発の 観点からも,熱い期待が寄せられている.