設備紹介 ショットキー走査型電子顕微鏡
管理情報
製品名 | : | 日立(株) | SU5000 |
管理部門 | : | 基盤研究設備部門 | 表面・界面構造解析室 |
管理責任者 | : | 桑原大介 | 研究設備センター |
装置概要
- ZrO/Wショットキーエミッション電子銃を備えた走査電子顕微鏡。加速電圧は0. 5kVから30kVまで0.1kVステップで可変でき、二次電子像の分解能は加速電圧1. 0kV(WD=3mm)で3.0nm、加速電圧30kV(WD=5mm)で1.2nmである。試料室は大型 試料対応のドローアウト方式が採用されており、対物レンズへの接触防止機構、 試料室を開放しても対物絞りが汚染されないように配慮した安全構造が採用され ている。
- SEMの操作は、ユーザーが直感的に理解できるようにパネルやボタンが配置さ れたGUI(EM Wizard)で行うことが可能。基本操作はマニュアル操作パネルで行 うが、それらを含めてすべての操作をGUIで行うこともできる。さらに試料交換 時のサポート機能、SEMの原理を習得できるアプリアシスト、ビギナーへの自動 化機能もあり、ビギナーからエキスパートまでのSEM観察に対応できるシステム 構成になっている。
- 本SEMには二次電子検出器と反射電子検出器の2種類が搭載されている。二次 電子像は試料表面情報の高分解能観察に優れているが、チャージアップの影響を 受けやすい。一方、反射電子像は、入射電子の散乱によって放出された後方散乱 電子によって作られる像で、分解能(3.0nm(加速電圧15kV、WD=5mm))は二次 電子像には劣るが、試料の形状に加えて組成・結晶学的情報の観察、チャージア ップを軽減させた観察ができる。

観察例

CuZu金属の(a)二次電子(SE)像と(b)反射電子(BSE)像。SE像では形状主体の微細 な構造が見られるのに対して、BSE像は形状と組成のコントラストから構成され ており、小さな析出物が観察できている。
測定できる物質、状態、大きさ等
- 127mmφまでの試料台に貼り付けることが可能なバルク物質・粉体試料
- 非導電性物質は導電性コーティング(金属・炭素)あるいは低加速電圧および ダメージ軽減を利用して観察
- 磁性体や真空中で蒸発しやすい物質は観察不可